■飲食店で働く学生は飲食店に就職しない!

飲食店には多数の学生アルバイトの方が働い
ています。
しかし彼ら、彼女らは100%に近い確率で飲食
店には就職しません。

うちに来ない?と言っても皆異口同音に

「飲食店はアルバイト先としては楽しいし魅力は
あるけど、就職先としてはちょっと・・」

と言って断ってきます。

これは今わたしが勤めている会社だけの話で
はありません。
これまでわたしは色々な会社にいて都度誘い
ましたがどこでも大体同じようなものです。


■「就職難だけど嫌なところでは働きたくない」
 が学生の本音


近年学生はずっと就職難と言われていますが、
飲食業界は万年人手不足です。

飲食業界ではどの会社も新卒学生ならのどか
ら手が出るほど欲しいでしょうが、どこも採用は
困難を極めます。

本来なら飲食店なんかは最も学生を採用しや
すい環境にいるはずです。

だって学生アルバイトは全員店でインターン
として働いているようなものですからね。

青田買いし放題なのに誰も入ってこない・・
これって本当にもったいないことです。
我が社も同じ状況ですけど・・

アルバイトとして働いてみるとすごく楽しい。
だけど社員にはなりたくないのはなぜでしょうか?


■飲食店でアルバイトした学生が飲食店で
 働きたくないと思う2つの理由


●労働条件が悪そう!

 アルバイトからは間違いなく社員って大変そ
 うに見える。
 
 休みもなく、長時間働かなければならない。
 給料だってそんなによくなさそうだと思われて
 いる。

 ま、大変なのは飲食だけでなく、事務やっても
 また違う大変さがあるんですけどね。
 そこは学生には見えないところですが・・

 しかし休みが少ない、予定通り休みが取れない、
 勤務労働時間が長い、給料はそれほど高くない
 というのは本当のところです。
 (ま、会社によりますが)


●働いている社員自体が魅力的でない!
 

 これは条件的なものと同じ比率くらい本当に
 大きなウエイトを占めていると思います。

 そもそも飲食業界は労働条件がよろしくないと
 ころが多いため、やはり業界としてなかなかいい
 人材の流入が少ないのが現状です。

 学生から見てステキだなぁ!とかこの人のように
 なりたい!とかこの人と一緒に働いてみたい!
 と思う店長・社員に出会える確率は相当低いです。

 ちなみにわたしは20代前半に居酒屋に就職しま
 したが、その退職理由は周囲にいた30代・40代
 の先輩社員を見るにつけ、やがて自分もああなってし
 まうのか・・ 
 と暗澹たる気持ちになったことが最大の理由です。


■やがて深刻化する人手不足に対する対策を
 考えておかないと、今後人が足りなくて会社
 が倒産してしまう事態もあり得る!

今後の人材確保ということを考えると、労働条件
という基礎的な土台を整備した上で、次に魅力
あるお店を作り、魅力ある仕事を用意し、評価や
教育制度を整え、業界に優秀な人材を引き付け
ていくといった方策を打っていくべきだとわたしは
思っています。

そうすれば学生も飲食店を学生時代に限定した、
単なる小遣い稼ぎの場から、それこそインターンに
近い仕事経験の場と捉えてくれるようになるのでは
ないでしょうか?

しかしながら他業界並みに労働条件を整えるのは
決して容易ではありません。

詳しくはここでは語りませんが、わたしは絶対にそ
れはできると思っています。

※簡単に言えば収益率、労働生産性を上げること
 で利益を増やしそれを労働条件整備に使うのです。
 
 利益をを単なる拡大のための出店費用や、会社の
 留保を増やすことに回すと、人材確保という視点か
 らは確実に失敗します。


いずれにしても少子高齢化の中、人材不足は今後
どんどん進んでいくわけです。

人口が縮小していく社会にあっては、労働条件を整
えられない会社は、市場から退場を迫られていくこと
になると思います。

そういった中で飲食業界が健全経営をていくため
には、人材をしっかり確保していく必要があります。

それには今現在お店で働いている優秀な学生アル
バイトをどれだけ採用していけるか?
ここは生き残っていく上で大きな分岐になるとわたし
は思っています。